思いつくままに (18)
◆原子力発電に思う
私の知人にこんなパロディーを作った人がいる。
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創世記エデンにて
蛇は女に言った
神はこの園の中でどんな火も使ってはいけないと言われたのか
女は答えた
いいえ私たちは園の中にある総ての火を使ってもいいのです
しかし園の中央にある原子の火だけはこれを使ってはいけない 近づいてもいけない 死ぬといけないからと神は言われたのです
すると蛇は言った
それで死ぬことはない あなたたちがそれを使うと目が開け神のように賢くなることを神は恐れておられるのだ
女が見るとその火はとても魅力的で男にも勧めてその火を手に取った
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原発が極めて危険であることは、全面撤廃派もそして安全を確保して使って行こうという人たちも誰もが認めるところでありましょう。私も原発は出来ることならなくすべきと希望するのですが、そうなると日本がこれまで培って来た経済の成長と暮らしの豊かさを失うことになるのかも知れません。さて国民のみなさんはそのことをどの程度知っているのでしょうか。
私たち年配者は戦中戦後の貧しさを知っています。そんな中で日本は劇的な発展を遂げて来たのです。原発撤廃は経済の後退と貧しさへの逆戻りを覚悟納得した上でのことではないでしょうか。豊かさを享受して来た日本人はそのことをどの程度納得するのでしょうか。もし政治家が「貧しい暮らしに戻るけれども原発を止めましょう」と言ったらその人は選挙で当選できるでしょうか。
政治のリーダーたちは、原発の危険を百も承知の上で、経済、暮らしの後退のショックを出来るだけやわらげようとしているのではと私は思うのです。
カトリック教会は原発反対の立場に立っています。さあみなさん、貧しくなってもいいと納得できますか。
貧しくなってもいい。物がなくなってもいい。明かりが暗くなってもいい。人間の命を守りましょう。
それこそが、何にも増して心の豊かさを願うカトリックに相応しい選びではないでしょうか。
今年二月十六日の共同祈願に次の一文があった。
「科学技術や今後の電気エネルギーのあり方が問われている今、すべての人が神の義を求め、最善の道を見いだすことができますように。」
2014年4月20日発行の大阪田辺教会の機関誌「はなびら」復活祭号に載せた記事。
（2025.4)
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